ボクシングの王座乱立

王座乱立!

統一王者

世界には4つのメジャー団体WBA、WBC、WBO、IBFと小さなマイナー団体が存在しています。
マイナー団体を含めると一体何人世界王者ぐいるのか分かりません。
なので基本的にマイナーベルトは世界王者とは認められません。
日本では最近から主要4団体を世界王者として認めるようになりましたが、他の団体や暫定王者というものは世界王者とは認めていません。

つまり一つの階級に常に世界王者は最低でも4人いるわけです。
それだけでも聞き慣れないと意味が分からないと思いますが、実はさらに王者がいるのです。
WBAは正規王者の上にスーパー王者という称号を設け、さらにその下に暫定王者という称号も与えています。
WBCには正規王者、その上にダイヤモンド王者、さらにはフランチャイズ王者という称号を設けています。
つまり一つの階級に4人どころ5人、6人。
下手すると7人以上王者がいるわけです。

承認料

なぜこんな馬鹿げたことが起こるのかと言うと、承認団体はベルトの使用料(承認料)のようなものを徴収しているのです。

だから世界タイトルマッチが行われれば行われるほど儲かります。
つまり階級が細分化されればされるほど、ベルトが増えれば増えるほど承認団体は笑顔になるわけなんです。

議論の余地なき統一王者

でもこんな嘘はすぐに暴かれます。
最近はインターネットの発達ですぐに情報が広がっていきます。
世界中の熱心なボクシングファンがこの嘘をインターネットで暴き始めたのです。

その結果どうなったのか。
ベルトの価値が失墜しました。

コアなボクシングファンどころか時々ボクシングを見るような、カジュアルなボクシングファンにまで上記の事実が認知された結果、ベルトの市場価値が暴落してしまったのです。
誰に勝ったのかを重視するファンが増えた結果、チャンピオンシップという名前ではファンは見向きもしなくなりました。
するとチャンピオンであってもそのファイトマネーは下がっていきます。
今や、ベルトを持っているかどうかではなく誰に勝ったのかが、プロボクサーの市場価値になりました。

選手達もファンの需要を敏感に感じ取り、誰と戦うのかを重要視し始めました。
このような事情もあり最近の選手は盛んに「4団体統一」の声を上げているわけです。
特にボクシングがビジネスではなく、生きがいでかるとか名誉を重んじる選手ほどベルトの統一にこだわります。
ワシル・ロマチェンコやオレクサンドル・ウシク、またアルツール・ベテルビエフなど東欧の選手に強いこだわりを感じます。

複数階級制覇の意味も薄れてきています。
真の意味での「挑戦」だった一昔前の複数階級制覇は形骸化し複数階級制覇の意味は失われました。。
何人もいる王者の中から一番弱い選手を選べばいいのですから。

選手も誰にどうやって勝てたかを重要視するようにり、複数階級制覇よりその階級でNo.1であることを証明することのほうが過酷で困難な道なのです。
逆に下手に階級を上げるとその階級の強い選手達から逃げたと受け取られ市場価値が落ちてしまう可能性もあります。

困難に挑戦する姿勢にこそファンは心を動かされ魅了されるのです。

前置きが長くなりましたが、ベルトの権威の失墜が始まったことにより選手は4本あるベルトをまとめ統一することを目指すようになりました。

墓穴を掘り続ける主要団体

と言っても主にWBCとWBAのことですが。
IBFに関しては例えば大きな利益が期待できるビッグネームであっても例外は許さずルールを厳守させます。
IBFの認定した挑戦者と戦うという義務を果たさなければなりません。
その毅然とした態度に好感を持つファンは少なくありません。

WBCとWBAが王座を乱立させたことにより、何が起きたのか。

昔はボクシングを知らなくても良かったのです。
チャンピオンベルトという見出しがその試合の価値を保証していました。

しかしベルトの承認団体がベルトを乱立させその権威を手放した結果、テレビ放送の試合にベルトがかけられていたとしても見向きもされなくなったわけです。

チャンピオンシップ=最強を決める最高の戦い

ベルトの承認団体は目先の利益に目がくらみこの構図を失いました。
ベルトは王者と挑戦者の実力、つまりその試合の市場価値を保証する機能を果たしていましたが、その機能を手放してしまったのです。

ファンの注目度がボクシングの価値です。
試合の規模によって承認料か決まる承認団体はこれでは金になりません。

それでは承認団体はどうするのか。
大きな試合へ出場する選手へ近づき「このベルトいかがですか?」と売り込みをかけるのです。
逆に発展途上国や豊かではない国、知名度のない選手には見向きもしません。
それどころか何かと理由をつけてベルトを剥奪し、金のある選手に回そうとする始末。

発展途上国に生まれたという理由だけで、その機会損失を膨らせ続けてている天才は大勢いるのです。
井上尚弥が日本ではない貧しい国に生まれていたなら日の目を見ることなく藻掻き苦しんでいたでしょう。

本当に不公平なことですが、ボクシングにおいてはどの国に生まれたかは実力より重要なになることもあるのです。

話が少しそれましたので、話を戻します。
本来実力の証明であったベルトは今や単なる飾りへと成り下がってしまいました。

承認団体はファンにその権威を示せなくなり、選手と団体のパワーバランスが崩壊してしまいました。
現在WBCはミドル級〜ライトヘビー級までのベルトを保持するカネロ・アルバレスの奴隷です。
先に述べたフランチャイズベルトはカネロの防衛の義務を免除し好きなときにチャンピオンだと名乗れる権利を与える為に作られました。

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