試合内容
エリートアマのクイグリーは全勝のプロスペクトですがデビュー後、特にブランク明けは本当に冴えません。
思考錯誤の結果ボクシングが崩れてしまったのかもしれません。
ジョンソンはデレブヤチェンコとカーティス・スティーブンスに負けていますが好戦的な選手で打ち合いを好み試合にはずれはありません。
クイグリーにとってはここは大きな試練でありジョンソンにとっては生き残りを賭けた重要な試合です。
ジョンソンは超積極的で荒っぽく仕掛けていきます。
クイグリーはこの乱戦に巻き込まれたくない。左を伸ばして距離をとります。
3回には磁石野郎ジョンソンの尋常ではない磁力を引き剥がすことができなくなったクイグリー。
ジョンソンのタイソンリスペクトの多彩なコンビネーションでズタズタに崩されて相当辛そうです。
序盤はジョンソンが得意の距離で生き生きとしています。
クイグリーは最終回のような疲れ方。
5回にはロープを背負って限界は近そう。
まだ強打は食っていませんが細かいパンチを再三食います。
後半戦はずっとジョンソンのペース。
クイグリーも必死に抵抗しますが力を感じません。
9回ジョンソンのボディーブローがヒットし腰が折れるクイグリー。
さらにダメ押しでヒットしたところで終了のベル。
10回は限界と棄権しました。
感想
この日はジョンソンの生き物としての強さを感じました。
とても強かった。ボクシングの幅がなく殴り合いしか選択肢がないのが悔やまれますね。
接近戦では常に動き回っていて活力は半端じゃありませんでした。
アマのエリートにとってジョンソンのスタイルは本当に試練ですね。
細かい攻防は省略して被弾覚悟の突進、組み付いてからが勝負です。
この戦い方はプロのグラブでは倒される危険もあるし実行するには精神的な強さが必要、加えて見栄えはよくないのも手伝って誰もやらないできない戦略で、ある意味ニッチな戦略なので相手は対策分からず普段と違う土俵で戦わざるを得なくなるので強いんですよね。
ロマチェンコ戦のサリドがその典型で頭から突っ込んで腹を殴りまくる。押しこんで持たれてのしかかってボクシングをさせない。
打たれ強いとかパンチが強いとかパンチを恐れないといった必要な訓練がなされていれば相手にとっては悪夢です。
現役だとパッと思いつく限りでポーター、井上岳志。
比較的最近の選手だとカークランドやメイウェザーやパッキャオが戦ったハットン。
カークランドは石田のカウンターに沈みましたしパッキャオとメイウェザーは突進にカウンターを合わせて封じ込めました。
ジョンソンはデレブヤチェンコやこの試合を見てハードパンチャーでなければ苦戦させるというか、この戦いに引きずりこめると感じました。
ただジョンソンのレベルでゴロフキンやカネロといったハードパンチャー相手だと壮絶なKOになりそうです。
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