2020年注目選手
ウェルター級
最激戦階級と呼ばれていますが実はつまらん階級。
アメリカ人だけでベルトを回し金を集めます。
是非とも旧ソ連の怪物たちにこの悪しき慣習を打破してもらいたい。
ゴア・イエリツィアン
技体はウェルター級の最前線でやっていくに相応しいものを持っています。
後は「心」、最も大切な資質を試すだけです。
髭を蓄えた風貌とは裏腹にスタイリッシュなカウンターパンチャーで、その流れるような足さばきと華麗な身のこなしを見れば只者でないことは本能が理解するはずです。
名コーチ、そしてハードワークを求めるフレディー・ローチにその猛烈な練習量を認められました。

アレクサンダー・ベスプーチン
ロシアの弾丸。一瞬で間合いを詰める踏み込みとマシンガン並みの連打が武器のロシア人。
ブタエフとの全勝ロシア対決を制してPFPテレンス・クロフォード挑戦への切符を手にしました。
ブタエフのパンチやハンドスピード、プレッシャー、カウンターのスキルを見れば一瞬でやばい相手だと理解しますが、ベスプーチンは勤勉に動き回りそれを封じ込めました。
お互いに死力を尽くした試合で素晴らしいパフォーマンスを披露。
ウェルター級トップレベルの力を証明しています。
後一段、クロフォードを乗り越えるだけです。

バージル・オルティス
全KOのトッププロスペクト。
メキシコ系のアメリカ人で伝統のコンビネーションとカウンター、そして鈍器のように重い拳を武器に快進撃。
スーパーライト級二冠王者ラミレスと徹底的に打ち合い鉄の顎と精神を証明していたオロスコと元プロスペクトソロモンをいとも簡単に粉砕。
そして何より恐ろしいのが21歳という年齢。
何者にでもなれます。将来のPFP候補のとんでもない逸材です。
ダニヤル・イエレウシノフ
見た目には分かりにくいですがパンチのタイミングを変えて相手に読ませない技術、変幻自在のディフェンスが売りのオリンピック金メダルの達人です。
アマチュアではユース時代から金メダルを連発、モハメド・ラビー、ジョシュ・ケリー、シャフラム・ギヤソフなど並み居る強豪を抑えてずっと一番だった男です。
才能があるのことは間違いありません。
着々とキャリアを進めています。
デビュー戦のカウンターはまるで電撃。
テレンス・クロフォード
カバラウスカス戦のパフォーマンスは圧巻でした。
ボクシングもファイトもできる。この男はどこまでその才能を隠しているのか。
まだまだ本当の姿は見せていないのかもしれません。
戦術的な幅に加えてウェルター級に上げてからのパワーの充実度、こいつはやばいと感じました。

スーパーウェルター級
マイキー・ガルシアがついに進出してしまう階級。
安定的に勝ち続けられる王者がおらず、ジャメール、ウィリアムはやっと走りだしたと言える段階なので統一戦などの激戦が期待されます。
停滞しているウェルター級やミドル級よりはるかに面白いのがスーパーウェルター級です。
ジャメール・チャーロ
一度負けたハリソンにリベンジ。
進化の止まらないこの男こそがこの階級の中心です。
負けたハリソン戦の後に見せた涙は本物でした、マイナーチェンジを加えてその強さを補強、ベルトを奪還。
これまで上手くいった方法を捨てるのは難しいものです。
しかしハリソン戦でのあの積極性。短期間であれだけ急増できるジャメールのモチベーションを考慮すると、ついに離陸態勢に入ったと言えるでしょう。
トラヴェル・メイゾン
この男は一押しです。
スタイル、風貌共にクール。攻めでも守りでも挑発でも魅せてくるエンタータイナーです。
188cmも身長のある男の動きではありません。
“ブラック・マジック”
黒魔術師、日本語にするとちょっと奇妙ですね。
しかしあだ名に恥じない魔術を持っています。

イスライル・マドリモフ
この階級にもウズベキスタンからの刺客。
スタンス関係なく動ける加えて変幻自在なスタイルで野性動物のような躍動感と強靭さが持ち味です。
綺麗なアマチュアスタイルではありません。しかし例にもれずこの男もハンマー。
数戦しかしていませんが来年には世界戦線に絡んでもおかしくありません。

思ったより多かった…
その4に続く。
コメント
このブログで知りましたが、トラベルメイゾンは凄まじい才能ですね。
バランスよく能力が洗練されれば、ララやアンドラーデ、サンダースといった、勝利に徹した塩試合王者達を一掃する最終兵器になれるように感じます。彼らにとっては悪夢のようなスタイルでしょう。
ただ、一歩間違えればメイゾン自身も塩ボクサーの仲間入りしてしまいそうな点は要注意です。
メイゾンはカリスマ的な雰囲気もありますね。
スーパーウェルター級はレベル高い割に激しく動く楽しい階級なので今年はメイゾンにかき回してもらいたい。
アンドラーデやサンダースのスタイルを駆逐してくれることを願います。