ライオンズ・オンリー
ジャメールの狂暴化
ジャメールは変わりました。
デビューした頃は兄のジャモールの破壊的なボクシングの影に隠れ、試合のスタイルも目立つものではありませんでした。
日本のジムで活動するチャールズ・ベラミー(当時はチャーリー太田)にダウンを奪われた試合もあります。
破壊的なパンチャーがジャモール、技巧派で頭脳的なのがジャメール。
そんな印象でした。
しかしジャメールはベルトを奪取してから覚醒、狂暴化の一途を辿っています。
一方で兄のジャモールは頭脳的で技巧派に。
ここまで大きく振れ動くとは思いませんでした。
そのジャメールの狂暴化に拍車をかけたのがトニー・ハリソンとの試合。
接戦を落とし初の黒星をつけられベルト奪われました。
そして何よりもジャメールのプライド、これが傷つけられました。
負けた後の記者会見で大の大人がまるで少年のように悔し泣きです。
それほど悔しかったのでしょう。
しかし結果的にそれはジャメールの動力である心に燃料を投下することになりました。
人間の原動力は良くも悪くも心です。
ジャメールは今までにない力を手に入れました。

試合自体は積極性でジャメールが上回っていたとの声もありすぐに再戦。
この日のジャメールは野獣でした。
初回から突進しパンチを振り回します。
ハリソンの強打がヒットしてもお構いなし。力づくでハリソンをねじ伏せようとします。
試合に勝つ、というよりはプライドを傷つけたハリソンを破壊してやる。
そんな試合でした。
技術のあるハリソンはジャメールの強打を避ける為に接近戦を開始。
巧みなボディーショットでジャメールを削ります。
しかしジャメールの気迫は衰えません。
結局は力づくでハリソンをねじ伏せました。

3冠戦
ジャメールは2度目の世界王者に。
そして2冠王者の強打者ジェイソン・ロザリオを挑発しています。
ジャメール
俺たち兄弟は凶悪なファイターだと評価されるのに飽きてきた。
俺たちは知性的なんだ。
同じ轍は踏まない。
俺が欲しいのはハード、そしてロザリオだ。ルビンはもういい。終わった話だ。
俺は前へ進む。後ろにいる奴らの話はもううんざりなんだ。
スーパーウェルター級の支配者でありたい。
そのためにヘビー級ともスパーリングを重ねている。俺には時間がない。
最高のリングに俺を放り込んでくれ。
俺はそこを潜り抜けてやる。-ロザリオについて
何も驚くことはない。
「J-Rock」にとってタフな試合になることは分かりきっていた。
ベルトを持っている以上ロザリオも俺の標的だ。
ジャメールの次はロザリオとの3冠戦になりそうです。
ロザリオはハードパンチャーです。鋭いショルダーロールがあります。
しかしディフェンスには隙があります。
恐らくジャメールは慎重に戦うでしょう。
そしてハードショットをロザリオの顎に滑り込ませる。
残るはトップランクのトッププロスペクト、カルロス・アダムスとタフな殴り合いを演じて戴冠したブラジルの苦労人ティシェイラ。

来年は議論の余地亡きスーパーウェルター級チャンピオンが見られるかもしれません。
ジャメールも好きな選手ですが内心ティシェイラに頑張ってほしい私がいます…
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