ヨルデニス・ウガスvsアベル・ラモス
試合内容
ヨルデニス・ウガスはウェルター級ではポーターに負けていますが、内容は接戦。
ウガスが勝っていたという声も多い試合でした。
そのポーターはウェルター級最強とも評価されクロフォードと評価を二分するスペンスに肉薄しました。
ダウンまではポイントでリードしていたことを考慮するとスペンスと遜色ない実力があります。
ウガスの実力はウェルター級でもトップレベルであるはずですが、もう一歩及びません。
私の中ではベルトを獲ってほしい選手の一人です。
フィジカルと中間距離のカウンターを得意としており、打ち合いの技術に優れています。
戦績は26勝12KO6敗。
相手のアベル・ラモスはこの間暫定王者に輝いたジャモル・ジェームズにMD負け、イヴァン・バンランチクにUD、プログレイにKO負けと負けは3つありますが、すべて強豪相手。
戦績は26勝20KO3敗。
身長差はほとんどありません。
両者とも張りのある体をしています。
初回からウガスがタイトな構えからジリジリとプレッシャーをかけます。
体格と風貌からは想像できませんが、ウガスは常に丁寧に戦います。
ラモスは足を使い横に躱しながらジャブを伸ばしウガスの得意な中間距離を避けます。
3回からウガスの攻撃の激しさが増します。
ラモスの打ち終わりにコンパクトなカウンターを飛ばしていきます。
ラモスの左フックが相打ちで当たったか?一瞬ウガスの体が揺れました。
中盤もヒット、手数ともにウガスが着実に積み重ねてリードを広げます。
ラモスはウガスのタイトな守りを崩せずヒットが奪えません。
しかしラモスが折れずに根気強く打ち合い続けられれば分かりません。
彼のパンチ力には期待感があります。
終盤は両者足を止めて中間距離での打ち合い。
お互いのガードの上を強烈な衝撃が襲いますが、覚悟を決めているようで退きません。
ラモスのパンチの破壊力には相変わらず可能性を感じますが、ウガスはペースを上げ、上手さ運動量共に上回り差をつけていきます。
UDでウガス。
感想
ポーターを跳ね返すフィジカルにキューバ仕込みのハイレベルな技術。
ウガスは中間距離の打ち合いが本当に強い。
ポーターがこの距離を避けてアウトボクシングに徹したのも頷けます。
身長175cmリーチ175cmと特別な体格ではありませんが、体を縮めたタイトなガードですっぽりと上半身は覆い隠されてり、向かい合うと打つ場所はほとんどなさそうです。
今日は強引になった瞬間に危険な相打ちのタイミングのカウンターを3発程食っていました。
ウェルター級では命取り。
ウガスがウェルター級戦線にどう絡んでいくんのか。
ポーターとの再戦やパッキャオやクロフォード、スペンスへのタイトル挑戦が見てみたい選手です。
ラモスは足で躱すのを序盤で諦め、後半はそのパンチ力を活かして腰を据えて打ち合おうとしましたが跳ね返されました。
強い選手ですが、ウェルター級は層が厚い。
ウガスと祖国を同じくするキューバ人が先日ボクシングファンに強烈な印象を残しました。
わずか3戦で王座奪取。


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