ワシル・ロマチェンコvsテオフィモ・ロペス
試合内容
初回いきなり仕掛けたのはテオフィモ。
ハイスピード、ハイパワーの連打でロマチェンコを威嚇します。
その後も継続して速いジャブを飛ばしてロマチェンコを突き放し、ロマチェンコが踏み込んでくれば右のアッパーカットを突きあげてロマチェンコの警戒心を煽ります。
ロマチェンコは様子見。
ほとんど何もすることなく初回を終了しました。
気力が充実しているテオフィモは2回以降も速いジャブを飛ばしてロマチェンコをロープへ送り、強力なコンビネーションを叩き込みます。
ロマチェンコは手が出ません。
テオフィモのカウンターを警戒しています。
物量がロマチェンコの武器ですが、それを完全に封じられて全くいい所がありません。
7ラウンドからようやく動き出したロマチェンコ。
しかしテオフィモはまだ速く動けます。
危険極まりない右アッパーカットと左フックがロマチェンコの鼻先をかすめ、コンビネーションがガードを叩きます。
致命打は当てさせないロマチェンコですが、このカウンターに気勢を削がれていまいち勢いに乗れません。
それでもロマチェンコは終盤には得意のパターンを見せてヒットを重ねます。
しかしテオフィモの方が打撃音の派手さでは上回っており、ポイントは分かりません。
お互いに譲らない展開で最終回。
ヒットのロマチェンコとパワーのテオフィモ。
ロマチェンコは最後効かされたか?
判定はUDでテオフィモ。
感想
採点の結果に関しては物議をかもしているもののロマチェンコは序盤警戒しすぎてポイントを失いすぎました。
後半戦に関しても上回っていたものの明確に勝ったとは言えず。
やはりロマチェンコはライト級では小さい。
もし同じ体格なら後半はダウンの一つくらいは奪えたんじゃとも思えました。
とは言えテオフィモは大方の予想を覆し、若干23歳でなんと史上5人目の4団体統一王者です。
今後はライト級ではなくスーパーライト級が主戦上になる気がします。
ライト級に留まるとすればロマチェンコとの再戦ですかね。
コメント
スーパーライトにロペスは上げるでしょうけど、テイラーとか階級でトップクラスの選手には普通に負けそうな気がするんですよね。P4P的に見たときに本当に優れたボクサーなのか、かなり疑問符がつきます。もちろんまだ若いですからこれからの選手ですけど、同じように若い選手でもシャコールやヘイニーと比べるとかなりお粗末なボクシングと言わざるを得ない。
やたらとロペスのファンがNew era だとか P4Pだとか持ち上げますけど、世代交代でもなければP4Pクラスのパフォーマンスでもない。
そして119-109の謎採点、ちょっと感情的になってしまいます。
スーパーライトも統一間近、おそらく統一後はウェルターに行くので、空位になったどこかの王座には収まるんじゃ無いでしょうか。
ただ、現状ではプログレイのパワーとテクニックとボディワークをマイナスして、スピードにプラスしたぐらいの印象です。打たれ強さも未知数なので、リナレスのようになる可能性もあると思います。
テオフィモはまだ23歳です。
彼の才能はこれからさらに開花するのかもしれません。
シャクールのような完成度は現時点では無いかもしれませんが、私の目にはロマチェンコ戦は頭脳的でスキルフルに映りました。
採点に関してはカネロ-ゴロフキンの例からもある程度予想はしていましたが、ジャッジがが何を基準に採点するのか明確にすべきですよね。
メイウェザー-カネロに関しては私は目を疑いました。
展開、結果ともに予想通りでしたが、僅差でロマチェンコかと思いました。特に有効打を重視するラスベガスであれば尚のことです。
再戦は無いでしょう。今回の採点はロマチェンコの戦い方にはポイントを与えないというメッセージと、ロペスの完勝で再戦不要という大義名分を与えました。
「ポイントはともかくロペスの勝ちだから文句いうな」という人もいますが、再戦有無や広まりつつあるロマチェンコスタイルへの否定を考えると単純な結果以上の影響があると思います。
私は僅差でテオフィモでしたね。
ジャッジの中に一人頓珍漢がいましたが、特に前半はロマチェンコへ得点を与えるのが難しいラウンドが続いていたと思います。
パッキャオやメイウェザーがやすやすと超えた壁なので期待してしまいましたが、彼らがちょっと異常なだけでした。