オレクサンドル・ウシクvsデレク・チゾラ
試合内容
ウシクはクルーザー級4団体統一王者、ロンドンオリンピック金メダリスト。
圧倒的な物量量と機動力で相手を圧倒するスタイルはロマチェンコと重なります。
ロマチェンコは階級の壁に阻まれたがウシクはどうか。
18勝13KO。
チゾラは32勝23KO9敗。
9敗していますがただのかませ犬ではありません。
一定の力を証明しています。
ウシクは横に動きながら細かいパンチで距離をとりますが、チゾラのプレッシャーとパワーにいつも以上に体力を使っている様子。
チゾラはヘビー級らしくパワーで勝負です。
2回、ウシクはとてもヘビー級とは思えないフットワークを見せますが、チゾラの突進とそこから繰り出されるパンチに手を焼きます。
チゾラはヘビー級ではスタミナが武器ですが、このペースでどこまでいけるか。
最後までいけるならウシクは苦しい試合になりそうです。
5回からチゾラがややペースダウン。
ウシクは右を軽く伸ばしてチゾラの顔をはたきます。
チゾラはペースは落ちたものの時折一発を狙ってくるので最後まで気は抜けません。
ウシクにも余裕があるわけでなく、とにかく集中してプランを実行しています。
後半からスピードと勢いの落ちてきたチゾラにウシクはカウンターを合わせます。
派手なパンチではありませんが、正確で後々効いてきそうなパンチです。
チゾラの動きが止まってくるとウシクの土俵です。
連打でロープへ送る場面も見せます。
終盤からチゾラはまた出てきました。
チゾラは試合にかける意気込みと準備が違います。
この体格でここまで動けるのはヘビー級としては稀有な存在です。
チャンピオンシップラウンズは体力を失ったチゾラをウシクが追い回して終了。
UDでウシク。
感想
タフな試合でしたがこのペースで戦えるのはヘビー級でもほんの一握り。
序盤はチゾラの突進に悩まされ続けましたが、武器であるスピードとフットワークを活かして後半は上手く戦いました。
チゾラが相手だったのであまり目立ちませんでしたが、序盤を凌いだウシクのスタミナもヘビー級では大きな武器です。
そしてチゾラ。
やっぱり強い。
ディリアン・ホワイトと2戦して2戦目はホワイトの強打に泣いてしまいましたが、1戦目はほぼ勝ちの内容。
常に試合当日のコンディションに不安があるホワイトよりはチゾラの方が信頼できます。
才能ならホワイトだと思うんですけどね。
チゾラの爪の垢を煎じて飲ませたい。
コメント
ウシクの機動力がヘビー級でも通用するのはわかりました。一方でパワーとフィジカルはどうしても劣る、これはライト級のロマチェンコと同じ問題をより深刻に抱えていると思います。
ルイズとかフューリーみたいにサイズでプレッシャーをかけてスタミナを削られる相手には不利でしょう。ワイルダーは1発貰えば終わりなので、ロマチェンコを参考に出来ることを考える必要がありますが難しそうです。そう考えるとジョシュアの指名挑戦者というのは悪くはないと思いますが、試合後のコメントの歯切れの悪さが気になりますね。