デービスと井上
ライバル不在の井上
ジェイソン・マロニーをいとも簡単に破壊して見せた日本のモンスター。
しかし前途洋々とは言えません。
ライバルの不在。
かつてのゴロフキンがそうであったように。
強すぎると対戦を避けられてしまいます。
KOを山のように築いてもライバル不在のままであれば、大きな話題は呼びません。
30歳を間近にして脚光を浴びたゴロフキンは実力もさることながら、やはりカネロという最高のメキシコ人ライバルに恵まれたからこそ、今の地位と人気を確立したといえます。
ゴロフキンの試合が終わる度にファンは「で、カネロとどっちが強いんだい?」とSNSで話題にしました。
カネロとゴロフキンのファンがネット上で繰り広げる小競り合い。
カジュアルなファイトファンの関心を集めました。
だからこそ両者の試合は大きな注目集め大金と名誉を手にすることができたのです。
PFPに名を連ね、No.1の座も見えてきた井上であればゴロフキンのような不遇を味わうことはないと考えたいですが、ミドル級とバンタム級では話が違ってきます。
アメリカのファンの関心が高まるフェザー級辺りまで階級を上げないことには現状維持がせいぜいでしょう。
ライバルに恵まれるデービス
一方ライバルに恵まれ前途洋々なのがデービスです。
ロマチェンコ神話に終止符を打ったテオフィモ。
才能、顔、スタイルと三拍子揃ったスーパースター候補のライアン・ガルシア。
メイウェザーに有望と見込まれたヘイニー。
人気では上記の選手に劣るもののスパーリングではライアンを圧倒したとかしてないとか、テオフィモとも仲が良さそうなローランド・ロメロもいます。
デービスは血気盛んな若いライバルに恵まれています。
スーパースターメイウェザーのバックアップもあります。
そして彼らは全てアメリカ人です。
英語が堪能でトラッシュトークを得意としている彼らのSNS上でのやり取りは大きな話題を呼ぶはずです。
これほどの偶然が重なることがあるでしょうか。
これだけの才能がひとつの時代にそして一国に集まるということはまれです。
彼らは運にも恵まれていると言えます。
必ずこの中から次世代のスーパースターが生まれるでしょう。
井上は彼らに勝るとも劣らない実力者です。
しかし実力だけではダメなのがボクシング。
メイウェザーもパッキャオがいたからこそ、ファンの間の論争を起こし続けました。
今の井上に匹敵するのなら誰でもいい。国籍はどこでもいいがアメリカ人かメキシコ人ならなおいい。
井上のライバルの登場。
これが井上のキャリアを完成させる最後のピースです。


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