底なしの天才、クロフォードの試合を目撃したので更新。
ウェルター級ランキング
ウェルター級
63.503 – 66.678kg
1位テレンス・クロフォード
37勝28KO
32歳
174cm
リーチ188cm
KO率75%
ウェルター級でも特に強靭と言えるカバラウスカス、ブルック、ベナビデスを意図も簡単粉砕。
まさかブルックをミドル級の歴史的強打者ゴロフキンより先にマットへ沈めるとは想像だにしませんでした。
近年のボクシングで天才という言葉はこの男が最も似合います。
遂にPFP争いに王手です。
日本のファンですら、井上を差し置いてクロフォードに軍配を上げるでしょう。
カネロからPFPキングの座をもぎ取るかもしれません。
PFPファイターに相応しい上手さと強さ、獰猛さでウェルター級の選手は肝を冷やしたでしょう。
クロフォードの天才はどれほどでしょう。3階級目のウェルター級ですが、さらに強さを増しており未だに底を見せていません。
2位 エロール・スペンス
26勝21KO
29歳
177cm
KO率80%
ガルシアやポーターといったビッグネームとの戦いで完璧ではないことを露呈しました
攻撃のセットアップが遅く、防御の後の反撃がクロフォードなどのトップクラスの中では遅い。
必然的に攻防分離気味、ハイボリューム攻撃でスペンスを防御に追わせる、横に動いて攻撃をセットアップする前に逃げる。
やっぱりアマチュア時代のセリク・サピエフの戦い方が対スペンスの答えでしょう。
ポーターはスペンスと運動量で上回ればスペンスを後手に回れ強打を封じ込められることを証明しました。
ただポーターの戦い方は異常で、ポーターだからできた特別な戦い方です。
ある程度PBCファイターの力関係ははっきりしてきました。
クロフォードの鋭さかスペンスの重厚さか。
3位ショーン・ポーター
30勝17KO3敗1分
30歳
170cm
KO立派な50%
サーマンに接戦で負け、ダニー・ガルシアに競り勝つなど実力は証明済み。
しかしスペンス戦ではその強さを飛躍させ彼が本物で特別な選手であるということを強く印象つけました。
本当に、スペンス戦の準備は見事でした。
技術的にはスペンスのフィジカルを活かしたごり押しをクリンチで封じ、ロープに押し込まれても一瞬で身を翻して攻防を入れ替える技を練度120%で仕上げていました。
そして肉体的には全く疲れることのない動物並みのスタミナで一切妥協のない執拗な攻撃を敢行、スペンスを守勢に回らせました。
またスペンスの殺人パンチを受けても怯む様子はなく倍返しできるメンタルにも驚かされました。
ポーターの試合に対する心身の準備は尋常ではありませんでしたね。
こうなることを細部まで知っていたかのような準備でした。
しかし未来が見えるはずはないのでそんなことはないでしょう。
無駄に終わった用意は上手くいった用意の何十倍もあったはずです。
あの状況を引き起こしたのはあらゆる状況を想定し、一切妥協なく取り組んでこれたポーターの意思の強さでしょう。
あの動物並みの持久力を手に入れるにはどれほどの苦行に耐えたことか。
久しぶりに唖然とする試合を見せてもらいました。
4位 アレクサンダー・ベスプーチン
13勝9KO
28歳
170cm
KO率64%
弾丸のような踏み込みからマシンガンのような連打を繰り出すロシアのサイボーグ。
爆発的なスピードもさることながら、私は何よりもベスプーチンの勤勉さを評価しました。
ブタエフと尋常ではないプレッシャーの中ミスをせず、常に動き続けてブタエフの強打を12ラウンズ封じ込めることができました。
まだ王者ではありませんが、王者より強いのではと思わせる選手で来年はベルトへの挑戦が期待されている選手です。
もっと上にランクしてもいいと思える選手です。
打倒クロフォードの一番手です。
5位 ラズハブ・ブタエフ
12勝9KO1敗
25歳
ロシア
身長179cm
リーチ183cm
破壊的な拳を持つロシアのターミネーター。
ベスプーチンの試合ではベスプーチンの上手さにパワーを封じ込められましたが、並外れた強さを感じました。
ベスプーチンのマシンガンに負けず劣らずのハンドスピード、重厚なプレッシャー、スイッチやカウンターといった戦術的な幅。
何よりもその破壊的な拳の恐怖をボクシングファン、メディアに知らしめました
ベスプーチンの強打を受け止めてビクともせず前進できる強靭なフィジカルには本当に驚かされました。
スペンス、クロフォード、ポーター相手に十分勝負になるはずです。
6位 ヨルデニス・ウガス
25勝12KO4敗
33歳
175cm
KO率39%
筋骨隆々で堂々たる体格を誇ります。
ウガスのウェルター級でのフィジカルコンタクトの強さはスペンスに次ぐと思っていました。
しかしウガスはスペンスが手こずったポーターとの接触を意に介しませんでした。
ポーターを跳ね返していたことを考えると接触の強さはスペンス以上かもしれません。
が、当然ポーターのモチベーションも考慮しなけばなりません。
スペンス戦のポーターの運動量は動物並みでウガス戦とは比較になりません。
試合の日の戦い方やコンディションには同じポーターでも大きな差があったことは確かです。
フィジカルに加えて彼の本領は打ち合いの上手さにあります。
スペンスのようなハンマーではありませんが、強弱やカウンター、小さく大きくと多彩に打ち合います。
カウンターは打ち合いながら自然と出てくる強力な武器です。
ポーター、フィゲロア、ダラス戦では素晴らしいテクニックを見せてくれました。
果敢に攻め込んでいく選手で体だけでなく心も強靭なのも魅力の一つです。
7位 マニー・パッキャオ
62勝37KO7敗2分
40歳
166cm
KO率54%
最小、最高齢の王者。
マティセ、ブローナー、サーマンを圧倒した40歳。
サーマン戦では全盛期の力はなく、特にスタミナは著しく低下しています。
しかし磨き抜かれた技は健在でリターンの速さ縦横無尽なフットワークはサーマンの強打を完全に封じ込めていました。
ウェルター級は最も層が厚い。どこまでやれるか。
ボクシングの実績という意味で誰も追いつけない高みまで来てしまいました。
8位 エギディウス・カバリアウスカス
21勝17KO1分1敗
31歳
175cm
73%
門番レイ・ロビンソンと引き分けクロフォードに序盤幻のダウンを奪ったものの後半は圧倒されてKOされました。
フィジカルに関してはクロフォードを上回っているように見えましたが、序盤を終えるとクロフォードに飲み込まれているように見え、ウェルター級の第一線の選手と戦うには少しだけ精神面に不安をの残しました。
フィジカルやオリンピック出場の下地はあるのでもうクロフォードに及ばなかった部分を修正してもう一度力強く立ち上がってほしいと思います。
9位 バージル・オルティス
15勝15KO
21歳
アメリカ
身長178cm
リーチ178cm
KO率100%
全KOのスーパーライト級プロスペクトでしたが、ウェルター級に一つ階級を上げました。
スーパーライト級王者のホセ・ラミレスと激しく打ち合いその顎の強さとど根性を証明していたオロスコをノックアウト。
これには驚きました。
ラミレス戦を見てもオロスコの頑丈さは並外れておりKO勝ちできるような選手ではありません。
そして今度はブラッド・ソロモンをいとも簡単に粉砕。怪物性を感じます。
これにスタミナや打たれ強さなど未知の部分もありますが、これらも兼ね備えていたらスーパースターは確実でしょう。逸材です。
10位 ダニー・ガルシア
35勝21KO2敗
31歳
173cm
KO率56%
ポーターとサーマンに競り負けています。
スピードとパワー、特に技術は一定の水準を超えていますが、正直な戦い方で突出したものはなくやりやすいスタイルだと思います。
人気があるのでビッグネームとしか戦いませんが、もしかしたら無名の実力者に負けちゃうんじゃない?とも思います。
11位 キース・サーマン
29勝22KO1敗
30歳
171cm
70%
ブランク明けのパッキャオやロペス戦で分かりました。既に力は残されていません。
どうやら慢性的な腕、肋骨の怪我を抱えているようです。
そんなコンディションではウェルター級では戦っていけません。
コメント
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