中谷正義vsフェリックス・ベルデホ
ベルデホの復活
ベルデホは当時現在のテオフィモ・ロペスのような扱いで王座は確実視され、大注目されたオリンピアンでした。

しかし2年前、当時38勝33KO2敗のハードパンチャー、アントニオ・ロザダ・トーレスにストップされています。
王座挑戦を見据え、ステップアップと言えるしかし勝って当然の試合で躓きました。
まさかまさかの敗北を喫し、ついこの間の試合でファンの目に再び留まるまで忘れ去られていた選手です。
2年近く似たような場所を彷徨っていたベルデホはようやく、ライト級の本流へ流れ込む支流を発見しました。
中谷正義。
ベルデホに残された本流へ向かうための唯一の支流。
が、そこは急流です。
中谷が飲み込む
テオフィモに負けて引退していた選手です。
東洋太平洋タイトルを10度防衛している。
日本、アジアでは敵なしの男です。
世界タイトルの挑戦をかけてテオフィモと戦いましたが、微妙な判定を落として敗北。
しかしこの試合を見た日米のハードコアファンは真の勝者を知っているはずです。
この試合に負けて惜しまれながらも引退を表明。
公には負けたら辞めると決めていたと発言していましたが、本当は違ったようです。
井岡ジムと縁を切り、ボクシングを再始動させたことからも引退を決めた理由は明らかです。

この観戦記録を読んでください。
私が中谷の、そしてテオフィモの才能をどれほど見誤っていたかが分かります。
長いことボクシングを見ていますが、未だに見る目は養われません。
が、今となってはそれは私にとっては嬉しい誤算でもありました。
テオフィモが4団体を統一(正式には違う)しロマチェンコの覇権に終止符を打ちました。
ライト級最強は今やロマチェンコではありません。
テオフィモです。
そのテオフィモを最も苦しめ、場所が違えば勝っていたのではとも思える中谷の評価が日米のファンの間で一気に高騰しました。
だからこそベルデホとの試合に漕ぎつけたのでしょう。
テオフィモ戦で見せた中谷の肝の据わり方を見るに、ベルデホがいくら速くて上手いといっても今更慌てるなんてことはありません。
だとするなら技術的には長身も助け恐らく中谷が勝っています。
不安があるとすれば判定。
テオフィモ戦のように微妙なラウンドは全てベルデホへ流れます。
今回中谷に求められるのは勝ち切ること。
ダメージを与え、誰がどう見ても勝つことです。
12/12。
ベルデホと中谷が激突します。
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