ゲナンディ・ゴロフキンvsカミル・シェルメタ
GGGの衰え
ゴロフキンは来月全勝のシュルメタを迎えてIBFタイトルの防衛戦を行います。
このIBFタイトルはゴロフキンがセルゲイ・デレブヤチェンコとの死闘を制して手にしたものです。
その試合ではゴロフキンはデレブヤチェンコのパンチを受けてあわやダウンという危険な状況に陥りました。
デレブヤチェンコのフットワークと手数に苦しめられ、初回に奪ったダウンの貯金をやり繰りして何とか逃げ切ることができましたが、ミドル級の帝王としてチャレンジャーをバッタバッタとなぎ倒していたゴロフキンの姿はそこにはもう、ありませんでした。
この試合だけを見てゴロフキンが衰えたとは言いません。
デレブヤチェンコという強敵を退けたという事実は実力の証明でもあります。
しかしゴロフキンは今や38歳。
どれだけボクシングへの熱意があろうとも衰えは隠せない年齢です。
バーナード・ホプキンスやマニー・パッキャオのようにスタイルを変える必要があります。
以前のような、力でねじ伏せるような戦い方はもう、出来ない。
ゴロフキン本人の方が見ているだけのファンより衰えに敏感で、マイナーチェンジの必要性は重々理解しているはずです。
カネロ戦も見据えた準備をシュルメタとの試合に向けたトレーニングでもしてきたはず。
トレーナーをバンクスに変えたロールズ戦では微妙な変化を感じました。
ゴロフキンのスタイルがどう変化するのか、できるのかにも注目です。



全勝の挑戦者
シュルメタの戦績は21勝5KO。
31歳、身長176cmのポーランド人。
戦績だけ見ればKO率は低く38歳とは言えゴロフキンの相手としては少々頼りなく感じます。
キャリアのほとんどはポーランドで築いてきたもの。
前回が初のアメリカ。
なんでもない相手にKO勝ちしています。
戦績だけを見れば非力でゴロフキンにとって不安要素はないようにも思えます。
しかし何があるのか分からないのがボクシング。
何よりコロナによる影響は38歳のゴロフキンに大きく響くはず。
なんでもない戦績のなんでもないように見える男。
カネロ、ジェイコブス、デレブヤチェンコ。
激戦が続いた後のコロナパンデミック。
ゴロフキンが綻びを見せるとしたら、こんな時なのかもしれません。

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