動く要塞
超人化したカネロ
ここ数戦のカネロのパフォーマンスは凄まじく、現役選手の中では抜けた存在になりつつあります。
まさかクロフォードと井上の猛追をあんな風に躱していくとは。
あれだけ消極的に生存のみを選択したカラム・スミスの商品価値は暴落でしょう。
KOだけは逃れましたが、代償は大きくカネロの右のパンチで大腿二頭筋断裂の大怪我を負い、手術が必要となる可能性があるようです。
カネロが快適と発言しているスーパーミドル級にはカネロが苦手としてきた、スピードのあるアウトボクサーが揃っています。
が、カラム・スミスとの試合でのカネロのパワー、ディフェンスを見ると彼らでは少々頼りないと言わざるをえません。
大人と子供のような漫画でも白ける体格差を、どうゆうわけか正面から突破していきました。
階級屈指の大男、WBSS制覇者(イギリス大会の様相でしたが)で全勝のスミスの腕をパンチで千切るという規格外のパワーを見せつけています。
サンダースは試合後、当然カネロを挑発しました。
しかしこの男はカネロくじが引きたい、金が欲しいだけな気がします。
レミュー戦でサンダースの評価は急上昇したものの、レミューとカネロが比較できたのは数年前まで。
サンダースはカネロとの体格差が小さい上にコンディションはいつも怪しい。
機動力とスピードはアドバンテージになるはずですが、カネロのプレッシャーに36分間耐えきれるとは思えません。
カラムの前の標的であったプラントならどうか。
カネロの苦手とするスピードと機動力を武器とするタイプ。
ゴロフキンⅡまでなら、勝負になったはずです。
しかしカネロがコバレフやカラム・スミス、ゴロフキンⅡで見せたプレッシャーをプラントが捌けるでしょうか。
プラントはディフェンスが上手く、顔面はそう簡単に当てさせる選手ではありませんが、カラム・スミスの腕を壊した成功体験から相手の腕を狙うことが今後カネロの選択肢の一つになることは間違いありません。
顔面が遠ければ、腕を壊す。
これまでのボクシングのセオリーが通用しない選手へと変貌しています。
対戦相手の腕をも壊せる今のカネロであれば、仮に全盛期のメイウェザーが相手だったとしてもフィリーシェルごとぶち壊してしまうでしょう。
怪物デイビッド・ベナビデス
誰がスーパーミドル級でカネロを打倒するかを考えた場合、残す希望はベナビデス。
殴り合いを信条とする彼とカネロの試合でればヘビー級も真っ青のド迫力であることは間違いありません。
王者でないことも影響しているのでしょうが、カネロの口から名前が上がることはありません。
カネロがコットと殴り合っていた頃であれば、ベナビデスの勝ちは揺らがなかったはずです。
ゴロフキンを乗り越えた自信なのかメキシカンビーフなのか、適正階級だからなのか、カネロブランドのグラブの影響(ライアンなどが使用)なのか、別のレベルのパンチ力を手に入れています。
打ち合いを好む強気な性格ゆえ、ベナビデスは危険と言わざるをえません。
得意としている高速のコンビネーションもカネロに通用するか。
コバレフやゴロフキンと言った現役屈指のハードパンチを無力化していますし、ジェイコブスのスピードやカラム・スミスのリーチまでも無力化しました。
試合が決まればカネロ有利のオッズが立つ確率が高い。
プエルトリコの至宝 エドガー・ベルランガ
全試合初回KO男。
コアなボクシングファンは彼のマッチメイキングに否定的ですが、文字だけであればインパクトは絶大です。
彼の天才が本物であることを願いましょう。
体格や年齢的にいつまでスーパーミドル級でやれるか分かりませんが、将来的にはフリーエージェントとなったカネロとの対戦は十分あり得ます。
ベルランガ自身も将来的な対戦を心待ちにしているようで、所属するトップランクは業界での居場所を守るために積極的になっているので、リスクをとってでも実現させたい試合であるはずです。

キューバの至宝
期待できる男、デイビッド・モレルJr。
キューバの至宝、23歳のプロスペクトです。
強気な性格でスピード、パワーはスーパーミドル級として十分なものを持っています。
キューバという独特でミステリアスなこの男の天才に期待するファンも多いはずです。
信じがたいパワーを手にしたカネロを打倒できる男はいるのだろうか。
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